技術紹介

スタッド工法の溶接原理

スタッド工法の溶接原理

アークスタッド溶接機の原理を、通常の手動アーク溶接の原理と比較して考えてみますと、手動アーク溶接では、溶接棒を保持器にはさみ、母材に瞬間接触させてアークを発生させますが、スタッド溶接の場合はこの溶接棒がスタッドに、保持器が溶接ガンに相当します。

スタッド溶接では、最初母材に接触させたスタッドを、制御装置の働きで自動的に引き上げてアークを発生させ、所定の時間電流を流し、溶融池が形成されたところでスタッドを母材に圧入し、短時間(軸径19mmで約1秒程度)で溶接する機構になっています。

スタッド溶接
  1. 溶接しようとするスタッドを溶接ガンのチャックに挿入し、母材に接触させます。
  2. 溶接ガンのスイッチを押すことでパイロット電流の流れと同時にスタッドが引き上げられ、フェルール(セラミックフェルール)と呼ばれる磁器製の筒の中でアークが発生します。
  3. スタッド溶接機で設定していた時間だけアークが発生し、スタッドを母材の溶融池に突っ込んで溶接が完了し、溶けた金属はフェルール内で緩やかに冷却・凝固されます。
  4. フェルールを除去します。スタッドの端面は全体で溶融し、周囲は凝固した金属盛り(カラー)で覆われます。