技術紹介

杭頭スタッド工法

杭頭スタッド工法

杭頭スタッド工法

杭頭スタッド工法とは
従来工法の問題点

杭基礎における杭頭接合工法として、既製コンクリート杭と基礎スラブとの接合を行うために、杭の中空部へ鉄筋かごを挿入し、コンクリートを打設する中詰工法が通常用いられております。しかし、この工法では接合部の耐力及びくり返し荷重時の抜け出し、あるいは施工時における作業性ならびに工期短縮等の改善が必要と考えられていました。

杭頭スタッド工法

スタッド溶接のパイオニアでありますダイヘンスタッド(株)では中詰工法では得られない柱と杭の連続性及び曲げ強度を確保し、杭体の性能を最大限に生かした設計と信頼性のある施工が可能な『杭頭スタッド工法』を開発してきました。これにより確実な杭頭の接合を得ると共に杭頭補強工事のトータルコストの削減と工期の短縮が可能となります。

経済性、確実な接合、工期の短縮

「杭頭スタッド工法」が数々のメリットを実現します。

杭頭スタッド工法の施工状況
杭体杭頭スタッド基礎スラブへの確実な応力伝達
  • 確実な接合による安定した接合部の強度
  • 抜け出しのない高い固定度と確実な応力伝達
コストの低減
  • 杭頭処理の簡素化、建設副産物の削減
  • 杭頭スタッド工法をVE提案することによりコストダウンが可能
工期短縮
  • 従来の工法に比べ数倍の施工スピード
  • 作業工程の簡素化
品質の安全
  • 杭頭スタッド工法溶接技術者による信頼性のある施工
  • すぐれた溶接性と品質の良いスタッド素材による施工
合理的な設計
  • 設計に対応した杭頭スタッド径と本数の選択が可能
  • 最適なスタッド径と本数を見易く表示

「杭頭スタッド工法」と従来工法の比較

従来工法と比較して「杭頭スタッド工法」の性能はこんなに優れています。

曲げモーメントと変異の関係図
曲げモーメントと変異の関係図
工法と固定度の関係
工法と固定度の関係
「杭頭スタッド工法」による溶接部の性能確認試験

杭頭接合部の設計段階における基礎データを得ることを目標に片持梁方式で実験した結果、杭頭スタッド工法による試験体は中詰工法(従来工法)に比して、かなり優れた耐力と変形性能を示し、靱性に富んだ溶接部が得られることが判りました。また、変位量、杭頭回転角、繰り返し荷重による影響などについても杭頭スタッド工法による接合部は良好な結果を示しました。

一例として、曲げモーメント・変位の関係を上図に示しています。また、杭頭固定度の比較を日本建築学会「建築基礎構造設計指南」による表に加筆して上図に示しています。

これにより、杭頭スタッド工法による接合部は固定度において中詰工法より優れ、基礎スラブに杭径程度を埋め込んだ接合部※1と同等の固定度となることが判りました。

※1:平成9年度版、公共建築協会による建築共通仕様書・杭基礎の章で杭頭補強は杭径程度の埋め込み工法に改訂されました。